(原文は旧字体、旧仮名遣いのため現代文に、一部は意訳としました) 我が国語を、音字で表わしては同音異義が多くて漢字を用いるから欠点である。 (略) それだから談話や電話電信で用をたすのに、今日において国語を整理する必要が出てくる。 |
いかがだろうか。愛橘博士の文はこのあと「だからローマ字が必要となる」と説いておられるが、 この書き出しを読んだだけでも、博士の熱意がひしひしと伝わってくる。 博士が、いかにして(頭の硬い)人々を説得し、理解させるかとの苦心が見えるようである。 ともあれ、明治時代に「ローマ字を国語に!」というのは、想像を絶するご苦労があったことであろう。 「日本式ローマ字」が正式に定められたのは、昭和12年の事である。 |