ミュージカル「Aikitu」脚本
第一幕 第三場 その3(地震、母の死) | |
元気 | なんだよ。それじゃ厳しすぎるよ。 |
幸子 | そうよ。あんまりだわ。 |
未来 | 昔はあんなに厳しかったの? |
ミーネ | 昔はねスパルタ式というか、とにかく殴ってでも、必要なことを叩き込む教え方だったのね。 |
修斗 | ああ、昔に生まれなくてよかったぜ! |
恵美 | でも。どうしてそんなに厳しくしなければなかったのですか。 |
美稲 | 厳しいのあれが?・・・そうね。確かに厳しいけど、やっぱり命がかかっていたからでしょうね。 |
元気 | 命?スパルタ式で勉強しなければ命が無かったというんですか? |
ミーネ | だって、お侍の時代よ。もし剣を使えなければあっという間に切り殺されてしまうでしょ? |
未来 | それはそうだけど |
ミーネ | それにね、武士の時代は一つの藩が一つの国でもあったの。だから戦争こそしなかったけど、どの藩もよそに負けない為には立派な武士が必要と考え、必死で教育をしたのよ。(暗転) |
美稲 |
(ピンスポット)武芸の修行。それは厳しいものでした。けれども幼い愛橘はきかんぼうで、大の負けず嫌い。毎日野山を駆け回って、それは元気に大らかにそだちました。ある日、あまりに元気過ぎた愛橘は、懲らしめられ蔵に押し込められました。ところが突然グラグラッと大きな地震が起こりました。 閉じ込めた父稲蔵が慌てて蔵を開けると愛橘がいません。いいえ、よく見ると地面に耳をこすりつけじっと地震の音を聞いています。愛橘大丈夫かと叫ぶ父に愛橘は答えました。「お父(ど)さん、いまの地震は南からきた、きっと江戸の大地震だべ」 |
そんな元気な愛橘が7才になったある日、母きせが突然病気で亡くなってしまいました。 | |
(サスF.O. 舞台にF.I.) | |
|