ミュージカル「Aikitu」脚本

第二幕 第九場 その1(濃尾大地震・根尾谷大断層)愛橘伴奏
 
(幕開くと、岐阜ののどかな寒村の風景。朝靄立ちこめている。舞台には一軒のわら屋根の農家。突然照明が回りだし点滅。効果音と共にユートン、里美、子供達が上手に現れる。舞台再び朝の風景に。)
 
子供達 うわぁ、きゃーなど。
ユートン 静かにおし!。おまえ達のせいでまたとんでもない所に来てしまった。
里美  みんなしっかりするのよ。ここはどこかしら。深い谷あいの村、あそこには川が見えるわ。
ユートン まったく。どうして人間は予測不能な行動をとるのかしら。早く元の世界にもどらないと。
子供1 あっ。人が出てきた。(お百姓らしい親子3人出てくる、朝の風景)
子供2 なんだかずいぶん昔の格好だなぁ。ううっ。寒い。
ユートン (突然アラームが鳴り出す)しまった。とんでもない所へ迷い込んでしまったわ。
里美 どうしたの。とんでもないって。ここはどこなの!。教えてよ。
ユートン ここは岐阜県根尾村。そして1891年10月28日。(必死で機械をいじっている)
里美 あら、岐阜だったの。でもなんだか古くさい風景・・・?1891年!一体どうゆう事。ねぇ、子供達をどうする気!(不気味な恐ろしい地鳴りが低く始まる)
ぁ。何!何の音?
(突然大音響と共に大地震が始まる、村人、里美子供達は逃げまどう。空には稲妻が走り暗黒のなか、農家の家が崩れ始める。激しいストロボと煙と共に舞台が割れ、大断層が隆起し始める。みなは必死ではいずり逃げまどう。生きた心地はしない。泣いてしまう子も出てくる。もうもうとスモーク)
(やがて地震はおさまり、次第に明るくなってくる。見ると断層の上で百姓が助けを求めている。断層の下では子供がお父!お父!と叫んでいる。母はけがをしたらしく横たわっている。)
現在の根尾谷断層。画面を横切る土手が断層。(岐阜県根尾村地震断層館付近で撮影)

戻る (2)・9−2へ