ミュージカル「Aikitu」脚本

第二幕 第九場 その2(ミーネ、ユートン助ける)
 
里美  みんな、大丈夫、みんなけがはない、みんな集まって!
子供達  先生!怖かった、家に帰りたい!などなど(本気で)
子供3 先生!この人死んでる!
里美 えっ?誰?
子供4 さっきの変な人
里美 (あわてて駆け寄る)どうしたの?大丈夫?はっ!(あわてて手を引く)
子供5 どうしたの、先生どうしたの!
里美 冷たい。
子供6 やっぱり死んじゃったんだ。
里美 いえ、そうじゃなくて。
子供7 そうじゃなくて?
里美 この人機械でできている。
子供達 ええっ。うそー。かっこいい。マジかよ?(など大騒ぎ、それから呆然とする里美に気づき押し黙る)
里美 どうしよう。この子達を私は助けられない。私は何にもできない(泣き出す)
子供達 先生(口々に。泣き出す子も)
 
(突然照明が回りだし再び地震が始まる)
子供達 ぎゃー。ままー。助けてー(など半ばパニック。舞台下手スモークの中にミーネ達現れる)
子供8 あ、未来ちゃんだ
子供9 元気だ、修斗も居る!
未来 里美先生!みんなぁ!(全員中央に走り寄って喜ぶ)
里美 あの。あなたは。
ミーネ わたしはミーネ。あなた達を助けに来ました。さあ元の世界に戻りましょう。
子供達 イェーイ!よかった。やった!わーい!など
ミーネ さあ、みんなここにあつまって、手をつないで。みんなOKなの?
子供10 先生。未来ちゃんが。(未来ユートンの側に立ったまま)
里美 未来さんどうしたの。どこかけがでもしてるの?
未来 ミーネさん。
ミーネ はい。
未来 この人はどうなるの。つれて帰れないの。
ミーネ ユートンは、大地震の強い磁気変化の影響を受けて、機能停止したのね。でも、コンピュータの計算では、残りのエネルギーではみんなを助けるのがやっとなの。もし、どうしてもユートンをつれて戻ろうとすれば、エネルギーを節約し、少しずつ時代を追いかけて行くしかありません。
幸子 あら、それなら少しずつでいいじゃない!なんか可哀想だよ。つれて帰ろうよ。
修斗  ええー!。俺家に帰りたいよ!
元気  そうだ!ミーネさん。もし戻るときはタイムスリップした同じ時間に戻れるのでしょう?
ミーネ ええ。それはできますが。
元気 なら、ちょっとずつで良いじゃないか。なぁ、愛橘博士の時代をみんなで覗いていけるぞ!
未来 そうね!私、愛橘博士のこと、もっと知りたい!
恵美 私も、ねぇ、先生。ミーネさんいいでしょう。
ミーネ (にっこり)やっぱりね。そうなると思っていました。(ユートンに歩み寄り何かをセットする)みなさん良いですか(コントローラーをいじる)
ユートン (キュイーンと起きあがる)メモリー正常、制御プログラム修復済み、エネルギー10%、20%、30、40、50・・(立ち上がり)私はユートン。復旧完了。
里美 ああっ。この人が生き返ったらまた大変なことが起こるわ!
ミーネ 大丈夫です。制御プログラムを書き換えました。だからもう私たちに協力してくれます。さぁユートン帰るから手伝って。(みんな輪になる。照明再び点滅し始める。やがて暗転)

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