ローマ字について、とりあえず自分の知っている範囲で書いてみる。 だが、ここでいうローマ字とは、日本の国字をローマ字を用いて表現するものである。 もともとは、外国人が日本にやって来て「耳で聞いた日本語を、母国の発音に似た言葉の綴りで書き記した」ものがそのルーツらしい。 愛橘博士らは日本語の発音や構成といった言語そのものを注意深く研究し、ついに日本式ローマ字を定めたが、それ以上に普及の苦労を重ねた。 博士は貴族院議員(今の国会議員)もつとめたが、発言が許される度に「ローマ字」の事を話したという。ある時、博士に講演依頼があったが、出された条件は「ローマ字の話は出さない事」であった。これを聞いた博士は、「ローマ字の話が出来ないなら、その講演はお引き受けできない」と言ったという。 |
ヘボン【James Curtis Hepburn】 アメリカ長老教会宣教師・医師。一八五九年(安政六)来日、神奈川に施療院を設け、最初の和英・英和辞典(和英語林集成)を完成、ヘボン式ローマ字を創始。聖書の日本語訳に参加、明治学院最初の総理。九二年(明治二五)帰国。日本名、平文。ヘプバーン。(1815〜1911) |