ミュージカル「Aikitu」脚本
第一幕 第七場 その1 留学{愛橘三十五才} 子供Cパート | ||
美稲 |
明治21年1月。愛橘はイギリスのグラスゴー大学へ留学。グラスゴーで愛橘は、世界的な物理学者のケルビン伯爵に、直接教えを受けます。貴族でもあったケルビン博士は、物理ばかりか、イギリスの騎士道精神や紳士のたしなみまで教え、愛橘に大きな影響を与えました。 そして3年目には、ドイツのベルリン大学へ転学し、明治24年に無事帰国しました。 |
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学生達 | ♪ あーーーーあ。勉強、勉強、勉強、勉強、 朝から晩まで勉強勉強 | |
{音楽8} | 頭が火を噴き目が回る 寝ている暇さえありゃしない | |
あーーーーあ。実験、実験、実験、実験、 朝から晩まで実験実験 | ||
わけもわからずやっている こんなの覚えてなんになる | ||
なのに愛橘博士はあんなにも 勉強するのが好きなんだ | ||
ニコニコしながら ドキドキしながら 勉強ばっかりしているよ | ||
何がそんなにおもしろい 何でそんなに なんでそんなにー | ||
あーーーーあ。勉強、勉強、勉強、勉強、 朝から晩まで勉強勉強 | ||
頭が火を噴き目が回る 寝ている暇さえありゃしない | ||
あーーーーあ。実験、実験、実験、実験、 朝から晩まで実験実験 | ||
わけもわからずやっている こんなの覚えてなんになる | ||
学生1 | おい、舘先生も山川先生も、朝から夜中までいつも机に向かっているが、一体そんなに先生ちゅうのは、勉強しないと、だめなもんなのか? | |
学生2 | いや、ひょっとしたら、先生でもわからんことが、たくさんあるんじゃろう。だいたい、舘先生の話はさっぱりわからん。 | |
学生4 | そうじゃ。「目さ、めーねぇ原子が、ぐるぐるまわってるども、そのまわりさば、中性子ずーのがまわってで…。なんだ、わがらねぇが。・・・・つまり大仏さまのあだまにある、螺髪(らほつ)よんたのだと思えばいいべ。」 (学生達大笑い) | |
学生2 | 「いいべ」って言われて、ますます俺はわからなくなったぞ。(笑い) | |
学生1 | ようし、一つ先生に聞いてくるか。 | |
学生3 |
諸君、止したまえ。外国の本に、大仏様が出てくる訳がない。あれは、舘先生が、我々にも考えられるように、ご自分でお考えになって、例えた話だろう。 舘先生は、単に教科書に書かれてあることだけを言ってるのではない。自分の頭で考えろと言っておられるのではないか。 |
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学生4 | そうか。そのためにああして夜中まで、自分の頭でお考えになっているのだ。 | |
学生3 | それに舘先生は、物事を一つ理解されるたびに、まるで子供のように、大喜びなさる。 | |
学生2 | たしかに、俺達だって知識が増えるのは嬉しい。やったぜ!て思う。 | |
学生1 | でも舘先生はそれだけじゃないなぁ。 | |
学生4 | そうだ。勉強するのが楽しくて仕方ないってみえるものなぁ。 | |
学生3 | 舘先生はそれが誰かの役に立つことを知っておられる。だから一生懸命なんだと私は思う。 | |
学生2 | よし、先生があんなに勉強なさってるんだ、学生の我々はもっと頑張らねばいかんな。 | |
学生3 | そう言うことだ | |
学生1 | 「こら!。おめだじは肝が練れでねぇ。もっと練れでば」だな。 | |
学生達 | 爆笑。 | |
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