■3人の愛橘と3人の美稲(愛橘の長女) 
    今回の公演で最も意識したことは、「博士の一生と業績」について出来る限りきちんと伝えるということだった。 
    そのために、演劇というよりは、映像、音楽などを取り入れたオムニバス形式をとった。何しろ96歳まで元気であった博士の一生である。とうてい一人の役者で演じきる訳にもいかず、少年期・青年期・老年期それぞれの愛橘が登場。長女美稲も3人が演じる事になった。 |  
  
  
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    ■生後3ヶ月で初舞台!!涙を誘った名演技! 
    愛橘の妻キヨ子は結婚後一年程で他界してしまう。長女美稲を生んでわずか10日後のことであった。 
    前半の見せ場でもあるこのシーンには、生後3ヶ月という堀口ゆうきちゃんがうまれたばかりの美稲に扮し、 
    見事に演じきった。  |  
  
  
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    ■よみがえった愛橘!?あまりにそっくりで観客もびっくり! 
    老年期の愛橘を演じた伊勢は、実は当初予定の役者が病気の為に、本番わずか3日前に急遽愛橘役を命じられた。ところが。メイクを終えたその風貌には団員一同絶句。まさに愛橘博士がよみがえったのか! 
    と思うほどそっくりであった。突然の代役にも関わらず見事に愛橘を演じきったのは言うまでもない。  |  
  
  
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    ■この人無しには語れない。美稲のすばらしさ。 
    舞台は、博士の娘「美稲」の回想という形を基本にすすめられたが、美稲役の吉田のセリフは気が遠くなるほど多く、時にナレーション、時に演技と使い分けなくてはいけなかった。脚本家が吉田を見てこの舞台を思い立ったいう噂もうなずける程、凛とした明治の女になりきったそれはすばらしい活躍であった。  |  
  
  
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    ■拍手喝采。邪魔畑&暇泉コンビ!? 
    幕末、明治、大正という時代を舞台と演技だけでわかってもらうには無理がありすぎた。脚本家は四苦八苦の末に、古畑任三郎と今泉慎太郎ならぬ「邪魔畑任三郎」と「暇泉慎太郎」というキャラをひねり出した。 
 
    この二人に、時代背景やわかりにくい事柄を楽しく説明させようと考えた訳である。だが、この役をもらった二人にとってはこれまでにない難役となった。 
    TVでおなじみのキャラクターだけにビデオを何本も見て研究するよう指示させられた。そればかりか博士の研究には専門的な用語も多い。それだけにセリフには大変な苦労をしたが、その甲斐あって、いざ本番では、出るたびに拍手と笑いがわき起こった。  |  
  
  
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    ■泣きながら演奏し続けた作曲者たち 
    今回の演劇の為に3人の音楽の先生に作曲・演奏を依頼した。生演奏付きの舞台というのはめったに無いと思うが、当の先生達にとっても、「演劇の舞台で生演奏をする」のは珍しい経験だった。 
    だが、目の前で真剣に演じる役者達にいつしか感動してしまい、気がつけば泣きながら演奏を続けていたという。 
    「これほどボロボロで演奏したのは初めて」と苦笑することしきりだった。本当にすばらしい音楽をありがとうございました!!  |  
  
  
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    ■主役を喰った!?、福高音楽部 
    後半の見せ場のひとつ。演劇の中に合唱を取り入れるという試みは観客が大感動してくれ大成功。しかし福岡高校音楽部の皆さんの合唱や、ソロを歌った大輔くんの美声に負うところが大きく、実は一瞬で主役が喰われてしまったのではという話もある。(苦笑) 
    何しろ我が劇団の女性達が直後に「大輔ファンクラブ」を作った程である。観客が酔わないはずはない。恐るべし福高音楽部。恐るべし大輔君!!。  |